【コーヒー器具レビュー】パナソニック 浄水器 蛇口直結型 ホワイト TK-CJ12-W
日々ハンドドリップコーヒーの記録を付けているのですが、記録を見直していて気がついたことがありました。
他の条件は同じなのに「苦み渋み」を感じると感想を書いている時は水道水を使っている時が多いと。
試しに水道水を使用した時の結果だけフィルタリングして並べてみるとかなりの割合で感想に「苦み渋み」と書いている。明らかにRO(逆浸透膜)濾過の純水やキリンのアルカリイオン水で淹れた時と違っていると。
ということで浄水器を導入してみました。
とは言えいきなり何万円もかけられないのでまずは簡易的な蛇口に取り付けるタイプから検討した結果、ランニングコストがとてもよいパナソニックのTK-CJ12を購入。
交換カートリッジが2022/5/1時点で5745円 。1リットルあたりに換算すると1.44円と大変お安い!
さらに本体価格も液晶画面がつかないタイプだとカートリッジ1個付きでカートリッジの単体価格+300円ちょっととこれまたお安い!
パナソニック 浄水器 蛇口直結型 ホワイト TK-CJ12-W
(本体+カートリッジ1個:6082円 2022/5/1時点)
パナソニック 浄水器カートリッジ 蛇口直結型用 1個 TK-CJ22C1
(交換カートリッジ:5745円 2022/5/1時点 1リットルあたり1.44円)
取り付け後水道水そのままの状態と浄水器を比較してみるとびっくりするくらい違いがあきらかで驚きました。水道水すごい匂いがあるし味に臭みも結構ある!
数年前ペットボトルで売っていた?(配られていた?)大阪市の水道水を飲んだときに普通に美味しかったのでそのままで大丈夫と過信していました。
マンションの場合一度屋上の貯水タンクに水を貯めそこでもう一度塩素を投入しているのでその影響が大きいのかもしれません。
浄水器を通した水は近所のスーパーでボトルを買えば以後は無料で汲めるRO(逆浸透膜)濾過の純水に近い、特に味も匂いも感じない水という印象です。
掛けた価格に対して満足度が高い買い物でした。
おいしいコーヒーにたどり着くための調整(3)~注湯量と抽出量問題再び~
色々微調整しながら試行錯誤しているが、どうも毎回濃度も収率も低く未抽出気味なことが多い。
極端な条件に(97℃以上の熱湯を注ぐとかメッシュを細挽きにするとか5分以上抽出に時間をかけるとか)すれば可能だろうけどそれじゃあ味に悪影響がありそうだし。。
ということで一度試しに抽出量ではなく注湯量を量ってドリッパーから最後の一滴が落ちるまで待つ方法を試してみました。
試行した条件は以下の通り
- 豆:ブラジル・ピーベリー 中煎り
- 水:浄水器を通した水道水
- ドリッパー:CAFEC フラワードリッパー 樹脂 2~4杯用 クリア
- フィルター:三洋産業 コーヒーフィルター 白 2~4杯用 アバカ 円錐形
- メッシュ:中細挽き(変更なし)
- 粉量:16.6g
- 注湯量:249.4ml
- 湯温:93℃
- 抽出時間:3分ジャスト
そして抽出結果が以下の通り
- 抽出量:202.4ml
- TDS:1.41%(適正は1.15~1.35%)
- 収率:17.15%(適正は18~22%)
- 高濃度未抽出
- 味わいは濃厚で不味い訳では無いが、酸味を多めに感じるのとなんとなく渋みというか舌を刺す様な嫌な刺激を感じる。
予定では抽出比率(Brew Ratio)「1:15」で濃度収率共にバランスのよい仕上がりになる計算だったのですがいびつな結果になりました。
計算式を見直してみると抽出比率を「粉:注湯量=1:15」で計算して決めていましたが、収率は抽出量に基づいて計算されるため抽出比率も抽出量で計算する必要があったようです。
実際「粉:抽出量」で改めて抽出比率を求めると「1:12.2」となり、狙いと大きくずれていることがわかります。
そうすると落としきりの場合でも抽出量を事前に知っておかないと粉量が決めれないことになります。コーヒー粉が抽出後に吸収して保持する水分量を推定すればおおよその値は出せそうだけど、メッシュや焙煎度、豆の品種等々の条件で吸水量が変わりそうだしなぁ。。。
面倒なのでやはり落としきり方式はやめて抽出量を計測する方式に戻りたいと思います。
【コーヒー器具レビュー】遠藤商事 18-8 コーヒードリップスタンド
こちらの記事で抽出量を量ることに決めたのでドリッパースタンドを購入しました。
色々高いもので欲しくなるものは多数あったのですが、最終的には「遠藤商事 18-8 コーヒードリップスタンド」に決めました。
土台の板がそれなりの厚みと広さがあってしっかりしており、支柱やホルダーもぐらついたりもせず問題なく動作しております。見た目に飾りっ気が皆無なことだけが欠点かと。
もちろん私が購入したのはお安いシルバーの方です!
見た目はブラックの方が断然格好いいんだけどなぁ。。
【コーヒー器具レビュー】ハンドドリップデビューセット
【購入品まとめ】
- ドリッパー/サーバー/フィルター/計量スプーン:HARIO (ハリオ) コーヒーサーバー V60 02セット コーヒードリップ 1~4杯用 ブラウン VCSD-02CBR
- コーヒーミル(グラインダー):HARIO(ハリオ) コーヒーミル ブラック セラミック スケルトン MSCS-2B
- 温度計:タニタ TT-583 BR スティック温度計
- コーヒーポット:カリタ Kalita コーヒ-達人 ペリカン 1L ホワイト #52125
【本文】
コーヒーを家で豆から挽いてハンドドリップで淹れようと思うと最低限コーヒーミル(グランダー)、ドリッパー、ペーパーフィルターの3点が必要になるかと思います。(お湯を沸かす手段はあるとします)
ドリッパーはペーパーフィルター、コーヒーサーバー、計量スプーンもセットになっていてとてもお得だったので迷わず決めました。
買った時点では知らなかったのですがハリオってコーヒー器具のメーカーとしてもとても有名な日本企業だったのですね。V60ドリッパーも近年では主流になっている感じですし、それが一式セットで900円弱とか有難すぎます。
ちなみにドリッパーは「V60 02」という1~4杯用の大きい方となっており、サーバーは容量700mlで食洗機、電子レンジOKという優れものです。
しかしミルは迷いました。最終的にドリッパーセットと同じハリオの手動ミルにしたのですが、決め手は粉砕方法がセラミックのコニカルカッター(臼型)で値段も十分に安かったことでしょうか。挽いたコーヒー粉を大容量100gまで貯められる点もこの価格としては他にない長所でオトクな気がしました。
近い価格帯では粉砕方式がブレードカッターの電動式も買えるのですが、コーヒー豆を均一に粉砕できないのとメッシュの変更が動作時間の長短でしか出来ず微調整が難しいことから手動式を選びました。
この他にあれば良いものとしてはお湯の温度を測る温度計と、ドリッパーに注ぐ湯の量を細かく調整できるコーヒーポットがあり、私はこちらも同時に購入しました。
温度計は安心のタニタで決まり。
機能も十分。
- 測定温度範囲:-50~240度
- 最小表示:0.1度、表示周期:1秒毎
- ホールド機能付き。マグネット・フック穴付き
ポットはカリタのホーロー製で値段の割に評判がよい「コーヒー達人 ペリカン」を選びました。
ステンレス製のポットは臭いが気になるという意見があるみたいですがホーロー製なら臭いが付く心配がないし、直火にも対応(IHは非対応)しているのでポットに入れてからあと1~2℃だけ湯温を上げたいという時などに重宝しています。
欠点は持ち手が熱くなること、深く傾けると蓋が落ちること、そして扱いに少し練習が必要なこと、でしょうか。
持ち手の熱さはパラコードを巻いて対応しています。蓋にもストラップ上にしたパラコードを付け持ちてと一緒に握ると傾けても落ちないので良い感じです。
ちなみにパラコードというのはパラシュート用のロープでアウトドアギアとしてもよく利用されています。
扱い方は下の動画を見て知りました。(それまでは普通にまっすぐドボドボ注いでいた)
以上、私のハンドドリップデビューセットでした。
ありがとうございました。
おいしいコーヒーにたどり着くための調整(2)
買ってしまいました、ポケットコーヒー濃度計 PAL-COFFEE(BX) | 株式会社アタゴ | ATAGO CO.,LTD.!!
[Brixのみ表示][TDSのみ表示][両方表示(少し高い)]の3パターンがあったんだけどTDSはBrix値に0.79を掛けて表示しているだけっぽいので実際の計測値を表示しているBrixのみ表示タイプを購入しました。
不明な用語はこちらをご覧ください。
これで以前触れた「正確な結果の測定(評価)」が可能になりましたので色々試行錯誤しております。
試行錯誤の歩みはこんな感じ。豆とドリッパー、フィルターを固定してその他の条件を色々試している感じです。
今までで一番美味しかったのは3行目、次いで6行目と10行目がまずまず良い出来でした。
現在のところレシピは
- 抽出比率は1:16(低濃度になりがちなので1:15に変更する可能性もアリ)
- 湯温は90~93℃
- 抽出時間は2分30秒~3分30秒
- メッシュは中細挽き(BONMAC BM-250Nのメモリで2.5 or 3.0)
こんな感じの範囲内でさらに最善を探っているところです。
センスはないので理詰めで一歩ずつ近付く予定だ!
sassanidspersia.hatenablog.com
【抽出理論】最適な抽出比率(Brew Ratio)はいくつ?
【結論】
- SCAAが提唱する濃度と収率の適正範囲を基準に考えるなら「1:16」が最適と言える。
【本文】
抽出比率(Brew Ratio)とは使用するコーヒー粉と抽出液の重量比率のこと。
(コーヒー粉と注湯量の比率で計算する場合もありますが、どちらを採用するかの選択基準はこちらの記事をご覧ください)
粉の割合を増やすと濃度が上がり収率は下がり、減らすとその逆の影響があります。
これが結構お店やバリスタさんによって差があるようです。
多いのは1対12~1対18くらいでしょうか。
私はいったん1対16で初めて、途中で1対15に変更し試行錯誤を繰り返しておりましたが、濃度と収率を記録し散布図に落としていたらあることに気づきました。
ちなみに青枠はSCAAが提唱する濃度と収率の適正範囲。実際に自分で淹れたときもおいしくできた時は必ず2つの青枠が重なった範囲内の時でした。
収率は濃度に正比例する(比例定数は抽出比率1対15なら15分の1)ため、同じ抽出比率で淹れた結果は必ず直線状に並び、温度や時間を変えることで直線上のどの位置になるかが決まります。
ここで1対15の直線と1対16の直線を比較してみると1対16の直線の方が適正範囲のど真ん中(濃度1.25%収率20%)を通っておりしかも適正範囲を通過している長さも長いのです。
つまり1対16で淹れたコーヒーの方が濃度収率が適正範囲に収まる可能性が高いということ!
ということで私は当面抽出比率1対16を採用することにいたしました。
これを変更する時はそもそもSCAAが提唱する適正範囲が本当に正しいのか、自分にあっているのかを見極められた時になるかと思います。
以上、ありがとうございました。
【抽出理論】収率について及び濃度・抽出比率との関係について
【まとめ】
- コーヒー豆の水に溶ける成分の中でもすぐ溶けるもの、時間がかかるもの、高い温度でないと溶けにくいもの、等性質にばらつきがある
- 溶け出しやすいのは「酸味→甘味→質感→苦味・雑味」の順
- おいしい成分は18~22%くらいのときに一番取り出せる(SCAA基準)
- 収率とは使用した粉の中の成分をどれだけ絞り出したかの割合である。
- 低すぎる収率は軽く絞っただけの状態であり、取り出せていない成分が多く残っていることを示す。
- 高すぎる収率は絞り出し過ぎであり苦味・雑味といったネガティブな風味まで抽出してしまっていることを示す。
【本文】
私が理解するのに苦労したコーヒーの味の調整に欠かせない数値についての補足を少しさせていただきます。
安定しておいしいコーヒーを淹れられる様になるにはレシピの記録と正確な結果の測定が大事だと以前書きました。
それらの中で少し理解するのに時間がかかったのが「収率」という概念と「濃度・収率・抽出比率の関連」でした。(それぞれの用語の意味は用語集をご参照ください)
色々調べた結果、濃度は「抽出液の中に含まれるコーヒー豆から出た成分が何%含まれているか」であるが、収率は「使用したコーヒー豆の重量のうち何%を抽出液の中に取り出すことができたか」の数値だと文字の上では理解しました。(ちなみにコーヒー豆の成分のうち70%くらいはそもそも水に溶けない成分なので収率が30%を超えることはほぼないそうです)
意味を知った上で最初に思ったのが「収率を求める意味って何?それがどう味に影響を与えるの?」ということでした。
それからさらにググりググり調べ続けてやっと理解したのは下記の内容。
- コーヒー豆の水に溶ける成分の中でもすぐ溶けるもの、時間がかかるもの、高い温度でないと溶けにくいもの、等性質にばらつきがある
- 溶け出しやすいのは「酸味→甘味→質感→苦味・雑味」の順
- おいしい成分は18~22%くらいのときに一番取り出せる(SCAA基準)
- 収率が低すぎる(未抽出)場合はおいしい成分が取り出しきれていない
- 収率が高すぎる(過抽出)場合は余計な雑味、いやな苦味などまで取り出してしまっている
- お湯の温度を上げると収率・濃度共に上がる
- メッシュを細かくすると収率・濃度共に上がる
- 抽出時間を長くすると収率・濃度共に上がる
- 抽出比率(Brew Ratio)を粉量の割合が増える方向に変更すると濃度は上がるが収率は下がる
- 抽出比率(Brew Ratio)を粉量の割合が減る方向に変更すると濃度は下がるが収率は上がる
ここを理解しないと濃度計を導入しても上手に味わいの調整を行うことができません。
特に「抽出比率の粉量を増やすと濃度は上がるが収率が下がる」「抽出比率の粉量を減らすと濃度は下がるが収率が上がる」の部分が直感的なイメージに反するため注意が必要です。
私の理解したところではこうです。
- 収率とは使用した粉の中の成分をどれだけ絞り出したかの割合である。
- 低すぎる収率は軽く絞っただけの状態であり、取り出せていない成分が多く残っていることを示す。
- 高すぎる収率は絞り出し過ぎであり苦味・雑味といったネガティブな風味まで抽出してしまっていることを示す。
- ドリッパー内の粉の量を10倍に増やしたのにお湯の量は変えないのであれば抽出されずにドリッパー上に残るコーヒーの成分は多くなる。
- 逆に粉が10分の1に減っているのに同じ量のお湯を注ぐとするとおそらく粉に含まれる成分はいやな味わいも含めてほとんどお湯に溶けてサーバーへ落ちる。
と、最初の【まとめ】の内容に繋がります。
そして縦軸を濃度、横軸を収率とした時の抽出結果を散布図にすると下図の様になります。
SCAAの基準ではTDS濃度は1.15%~1.35%、収率は18%~22%が適切とされているのでその範囲外の結果となった場合は濃度・収率をそれぞれどう調整すればよいのかが一目瞭然です。ちなみに抽出比率を固定すれば結果はそれぞれの抽出比率に応じた直線上に収まるので微調整がしやすいです。
【余談(後日追記)】
抽出比率は「粉量:注湯量」の比率から求められ、濃度は「粉量✕収率/抽出量」、収率は「抽出量✕濃度/粉量」と抽出量に基づいて求められます。ここも最初混乱していたので上図内で記載されている抽出比率(1:15とか1:16)は「粉量:抽出量」で算出しており、実際には1:18と1:19くらいの値が正確だと思われます。
という様な感じでなんとか理解したのでようやく本格的にドリップの実践と調整に取りかかりたいと思います。